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ナイロニスタが今聴くべきヒットチャートソング

Mega Hit Patrol vol.1 Bruno Marsの最新ヒットは金持ち自慢ソングなの?

普通に考えたらヒンシュクを買いそうなセリフでも、この人だから許される、このキャラだからOKになる。というのはよくあること。グラミー賞授賞式でのパフォーマンスを1つのきっかけにチャートを駆けのぼり、遂には全米シングル・チャートで1位を記録したブルーノ・マーズの最新ヒット、“That's What I Like"はそんなケースの典型かもしれない。

このスウィートでロマンティックなバラードは、ブルーノが気になる女の子にいろいろとアピールして口説き落とそうとする曲。まあ、歌詞のテーマ自体は珍しくない。でも、そのアピールの仕方が並じゃない。

この曲では、出だしからいきなり「(超高級地の)マンハッタンに家を買ったよ」と桁外れのアピール。その後も「マイアミに家を借りるんだ~ディナーにロブスターを食べよう」「俺のキャデラックに乗りなよ、ちょっと遠くまで行こうぜ(ブルーノのヴィンテージ・カー・コレクションは有名)」と、口説き文句がどれも目がくらむほどゴージャスだ。

もちろん、これは一歩間違えると嫌味な金持ち自慢。もしクリス・マーティンがこんなことを歌ったら、ほぼ確実に炎上する。だから絶対に歌わない。でも、ブルーノだったらOKと誰もが納得している。

それは彼が鼻につく気取った性格ではなく、とことんチャーミングでファンキーなキャラクターだから? もちろんそれも大きい。でも何より、ブルーノが生粋のポップスターだから、と言ったほうがしっくりとくる。

だって、ブルーノがこの曲のコーラスで歌っているセリフ、もし自分の彼氏に言われたらどう思う?「俺がこんなにセンスよくて、君ってラッキーだね」。やっぱりブルーノ・マーズは本物のポップスターだ。

TEXT: YOSHIHARU KOBAYASHI / THE SIGN MAGAZINE