性について読むvol.6 最終章 ボーイズラブの性の美学について

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これまでの記事

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最初の記事では、まず、性についての固定観念のの蓋を外しやすくするために、みんなの持っている「ふつう」は場所や時代によって変わるよということを書きました(http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8616)。2つ目の記事は昔の日本の性文化を紹介することで、近代の性のタブーという考え方は時代によって生まれてきたということを書きました。(http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8670)3つ目は近代の性のタブーから生まれた 性表現の自主規制、その表現の進化についてでした。( http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8682)4つ目は、西洋美術からみる少年の捉え方というものを書きました。(http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8785)、5つ目はセクシャルマイノリティについて、見落とされてしまう問題点を書きました。(http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8827)6つ目は性を動物学的にみたとき、人の性交がいかに奇妙であるかを書きました。(http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8964)長らく続いた性を読む記事はIKANIMO中二病くさい本のタイトルで締めくくろうと思います。今回の記事は”ボーイズラブ”についてです。
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※この記事は 野火ノビタ著「大人は判ってくれない」の内容を参考のもと、私の考えも織り交ぜて作られた推測の記事になっています。全てのボーイズラブの根拠がこの記事の意味で描かれていたり読まれているとは限りません。

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ボーイズラブから性を読む630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f


ボーイズラブ(BL)は簡単に言えば、男と男がくっつく恋愛ストーリーになります。初期のジャンルの名前としては耽美という名前からJUNE、ボーイズラブ、そしてボーイズラブという名前が省略化され、現在はBLというジャンルで確立されています。市場としても年々拡大していて、その主な読者と作り手は、男性の同性愛者ではなく女性という不思議な世界です。(ちなみにゲイをターゲットにした漫画はまた名称が違います)おそらくBLに興味のない人からみたらただの同性愛漫画と思うのでしょうが、そのストーリー性、歴史、考え方を追っていくと、同性愛者のための漫画でない事が分かってくるはずです。何故作者と読者は自分がヘテロ(異性愛者)でありながら男性女性という異性同士のキャラクターではなく男性同士のキャラクターであることにこだわっているのでしょうか。どうやらBLは掘り下げればおそらく面白い「性」に触れられることは間違いなさそうですね。という事で今回はBLについてを記事にしていきます。

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BLを説明するにあたって読者がどのような視点でストーリーを楽しんでいるかを考えることがこの答えを紐解くヒントになりそうです。普通恋愛ストーリーを楽しむ時、少なからず、読者(女性)はヒロイン役を自分に置き換えて読むことが一般的だと思います。BLの場合、そう言ったキャラクターの当事者になりきるというこのもありますが、その他に、読者は第3者の視点からキャラクターを見るということをします。これはどういう視点かというと、二人の関係を壁や床や天井にから覗き見しているような感覚です。作者曰く、「読者は第3者の目から2人の感情をスライドして読み取る」ということをしているということを言っています。つまり女性の読書は、第3者の視点で、欲望される側、欲する側の双方の感情に介入をすることができるのです。一般的に言われているこの第3者視点の解釈は、「自分が傷つかない方法」と言われています。これは読者は女性であり、キャラクター二人は男性であるため、その恋愛模様を見るということは、自分が傷つくことなくその恋愛模様を見ることができるものという解釈です。しかしこの説を作者は、少なくてもそれだけではないと否定しています。作者はこの関係の「当事者ではない」と同時に、感覚的には「当事者である」と言います。つまりは「欲望される側」と「欲望する側」、両方が読者自身になることが可能であり、無意識にそう言った読み方をしているといいます。(p244)

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ボーイズラブとは3つの欲望からなっていると作者は言います。1つは受け身として「愛されたい」という欲望、2つ目は攻める身として「愛したい」という欲望、3つ目は「愛し愛されたい」という関係性自体の欲望。(p255) ボーイズラブとして求められる関係性は、ズバリ「愛」だと作者は言います。これは、「欲望し」かつ「欲望される」という関係であり、読者はこの関係性を第三者の視点で読むことによって手に入れることができる。点ではなく線を楽しむということはこのことです。この方法はなぜか男性誌では見られない恋愛の描き方です。(男性の場合、個の視点が重要視されているのでは?と説いています)しかしながら、関係性を楽しむという部分において、三者の視点から見るというものは、男女愛を描くレディコミでも特に問題がないように思えます。

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では、何が読者を男性同士でなくてはならないこだわりを作っているのでしょうか。
愛という問題からこのことを考えるなら、それはボーイズラブの中での愛が、男女の間の愛とは異なるものとみなされているからと作者は言います。同じ人間同士なのに男女の中で性愛が介在してしまうと、その関係がたちまち揺らいでしまうことを多くの人は経験しているでしょう。性的に結ばれてしまった場合、少なからず肉体的には、欲望する者と欲望される者、男と女、主体と客体という覆しよう者ない固定的な関係に変わってしまいます。その時 「自身(彼女もしくは彼)」の魂と肉体は分断され、「自身(彼女もしくは彼)」はただの 「女(男)」でしかなく、「自身(彼女もしくは彼)」の存在が無視されてしまう。つまり、肉体「関係」において、自身はただの「女(男)」(欲望する者と欲望される者)でしかない。もちろん精神的には、または人間的には、男女双方の関係は対等のはずですが、単に肉体的な主従関係に過ぎないものを「精神」にまで転用してしまう人もまだ多いのではないでしょうか。( p257)

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実際にボーイズラブはどの時代から生まれたのかというと、BLの歴史をおうと、森鴎外の長女、森茉莉の「恋人たちの森」という作品からと言われていますが、しかし、以前紹介した「性のタブーのない日本」から推測すると、紫式部のかいた 源氏物語から始まると推測されます。平安時代はどんな時代だったかというと、女性の身分が低くなり始めた頃となります。そして森茉莉の書いた「恋人たちの森」という物語は明治初期であり、この時代も、男尊女卑という女性の身分が低くなっていることになります。男と女の格差を感じれば感じるほど、彼女達は抗いたかった、そして、フェアな関係で愛を作りたかった、というのがBLではないかと思っています。

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女性を不当に扱う男性との関係を強いられた場合、その状況に屈したくないと考える女性は二つの行動をします。一つはマンヘイト(ミサンドリー)。つまりは男性を敵対視するようになることです。そしてもう一つはウーマンヘイト(ミソジニー)。彼女は自分が女性であることを嫌悪します。“彼女”は”女性”でありながら、自分が”女”のように、また”女らしく”振る舞うことを”嫌悪”するのです。つまり「彼女は自らが女性自身として男性を欲望することに違和感を感じている(P257)」のです。このような女性は”男性の友情”というものを美化します。自分が男性であれば男性と人間的で対等な”愛(関係)”を手に入れられると。経験的に思い知らされた誤った感覚だとしても、少なからず読者には、このようなウーマンヘイトが存在します。これだけいうとボーイズラブは否定的な価値観を持ってしまいそうになりますが、ボーイズラブという世界には「女性」は、「女性」であるだけで受ける理不尽で不当な扱いから完全に無縁でいられることができます(p259)
肉体と社会的なものが剥がれ落ち、仮の肉体として「欲望する」ことのできる、男性の体に魂を入れ込むことをしています。

630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3fスクリーンショット 2016-03-15 0.10.37630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f⑥肉体でのイニシアチブの獲得

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恋愛ストーリーであれば、特に肉体関係のシーンでは、おのずとそこに欲望される側と欲望する側の2つの役割が生まれます。男女ストーリーであればそしてもちろん体的に女性は「欲望される側」、男性は「欲望する側」へとイニシアチブの役割が決められています。しかしBLという世界では、性別を同一化することにより、(または女性側がペニスを手に入れることにより)このイニシアチブの関係がどちらも可能であるのです。つまり読者が愛される方か愛す方かの「なりたい役割になる」ということが出来るというわけです。(p250)

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「ウーマンヘイト」の見方が読者の層に当てはまり、また、イニシアチブ(女性が男性に対し主導権を握る)ことを攻撃的に見るとすればそれは「マンヘイト」と言われるのかもしれません。しかしそれだけならば女性はわざわざ男性の姿を借りなくても良いのです。彼女は女性自身のままでいれば良いし、男尊女卑を女尊男卑へと転身させればいいのです。しかし彼女たちによってそれはそもそも彼女の肉体そのものが彼女にとって差別的です。現に漫画中に描かれているライバル女性は男性に媚びる彼女たちが嫌いな女性像であり、また寄り添うことができる女性は、そのカップルを理解し、性愛に関わることのない女性だけなのです。

630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3fスクリーンショット 2016-03-15 0.10.37630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f⑧セクシャルの介在しない恋愛

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またボーイズラブにおける男同士の関係は、別に「相手が男性だから」相手を好きになるのではありません。
「男だから好きになったのではなく君だから好き」という言葉がよく漫画の台詞で代用されます。
つまり、読者は性別を切り落としたボーイズラブという世界で、「女性だから好き」といったセクシャル的な恋愛を放棄した愛を求めているということになるでしょう。ボーイズラブという世界の中では、読者は女である自分の肉体を捨てています。つまり肉体を捨てた魂だけの姿になっているということです。そして彼女たちはイニシアチブもフェアな関係になり、再び、他者と向き合い、恋愛というコミュニケーションをとるのです。(p263)ボーイズラブの世界では、「欲望される側」だからといって精神的に下位に見られることはありません。「欲望する側」だからといって相手に君臨できるわけでもありません。また現実において女性が「相手を欲したい」という願望を、はしたないことと軽蔑されることもありません。(ここに対して日本の軽蔑視はまだ高いような気もします)ボーイズラブの双方の関係は男女間にあるような一方的な力関係を保ってはいなく、なんならリバーシブルな関係のストーリーも存在するし、社会的に優位なキャラクターが欲望される側に回ることだってあります。読者は「欲望される側」の視点をとったとしても「ウーマンヘイト的な(媚を売るように見えてしまう)」感情に脅かされることなく、安心して対象に愛されることができるのです。(p264)したがって、ボーイズラブのストーリーは多種にわたります。プラトニックな関係で終わるものから、肉体関係のものまで、社会的な役割からのイニチアシブの逆転、複数愛、メリーバットエンド、純愛的でない歪んだ恋愛もの、様々な愛の関係性が描かれやすい傾向があります。なぜならボーイズラブは(理想の)愛(関係)を表現するために作られたものだからです。

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愛は個人のものではなく、他者との関係性で生まれるものです。男性女性に限らず、全ての人が、個人という点で生きています。残念ながら、あなたは私ではないし、私はあなたではない。ゆえに完璧にお互いを理解することは出来ません。相手を相手が期待するように完璧に愛することはできないし、自分が期待するように完璧に愛されることはありません。それは孤独であり、現実というべきでしょう。作者は言います、愛とは全くもって不自由なものと。だから多くの人が、適当なところで折り合いをつけて生きていると作者はいいます。こんなことを言ってしまえば、現実というものはものすごく残酷なように聞こえますね。そして私達はそんな残酷な現実の中で生きなくてはならないのだと思ってしまうのかもしれません。しかし哲学的なことを言うように聞こえてしまうと思いますが、人間とは、現実と理想郷(想像の世界)の中で生きることができる面白い生命体です。現実には時にはそうやって折り合いをつけなくてはいけないことがあっても、理想郷の中を人は自由に行き来することができる。そしてその想像力が人を進化させる糧であると。現実だけではおそらく人間はその辺の草と変わらない生き方しかできないでしょう。しかし人は想像力を手にすることで、人間という不思議なアイデンティティを確立し、進化し続けていると私は思います。セクシャルという難しい問題の中で生まれた1つの「想像の世界」が、「ボーイズラブ」という世界なのかもしれません。話は変わって、数あるセクシャルマイノリティ(LGBT)映画の中で「ブロークバックマウンテン」という映画があります。これは私が思うに、セクシャルマイノリティ(LGBT)映画の作品の一つではないと思っています。「ブロークバックマウンテン(理想郷)」でイニスとジャックは社会的な呪縛から解放されながら、二人の愛を育んでいる。まさにボーイズラブという理想郷と現実という二つの世界を表現した映画だと思っています。

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私がボーイズラブを通して言いたいことの一つは、女性は2つの視点から考え、見ていくべきだということです。今まで私たちは”女性”といえば1つの概念しか出てこなかったでしょう。体はまるっぽくて、髪は長い、社会的な地位はまだまだ低く見られていて、スカートを履く、化粧をする、生理がある、胸が膨らむ…etc…女性というものを1つのくくりにまとめてそう考えていると思います。しかしボーイズラブの視点から読み解けば、女性は「肉体的な女性」と「社会的な女性像」この二つを垣間見れると思います。ボーイズラブの読者と作者はまず「肉体としての女性」に反発します。ペニスがないことに、イニチアシブの取りにくさに反抗します。そして「社会的な女性像」の排除を行います。彼女たちは、「女性だから」という社会的な判断を無視します。ボーイズラブの漫画ではかなり多くの漫画の中で「僕は男だ!」という言葉があります。それはそれはまるで呪文のように、自分を女性を排除しているかのように聞こえます。彼女たちが望んでいるものは「肉体的な女性」と「社会的な女性」この二つを排除し、セクシャルの介在しない関係を望んでいます。

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二つめに言いたいことは、ボーイズラブはフェミニズムの視点方訴えている物ではないこと。ボーイズラブを語っている書籍は他にも何冊かあります。しかし今回野火著の「大人は判ってくれない」をお勧めの一冊として選んだ理由がボーイズラブの根本的な部分に的を得ているため、この本を選んでみました。他の著は論理的であろうとすればするほど、「フェミニズム」という言葉を使いたがります。しかしながら、あとがきにあるように、フェミニズム的にボーイズラブを語ることは、ボーイズラブにおけるセクシュアリティの問題、そしてそこにある芸術性、想像力をいうものを隠蔽してしまう可能性があると思います。なぜならフェミニズムは今の段階は、「性」というものを受け入れるとこから始まっているからです。しかしながら読者達は「性」から離脱します。そして想像力において、違った角度で自分自身を受け入れようとするのです。

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3点目に言いたいことはこれは、同性愛者、性同一障害といったセクシャルマイノリティのストーリーではないということ。セクシャルマイノリティの主張が社会に影響を受けやすくなる(ブーム)になっている近年から、ボーイズラブは女性が男性同士をくっつけ遊ぶ差別的な表現であると唱える人が少なからず出てきていることは確かです。しかしながら彼女たちが描いているその関係性は、セクシャルマイノリティの問題ではなく、全く違ったセクシャルや社会的概念の問題です。
ボーイズラブの「同性愛」という関係はセクシャルマイノリティとは違う「同性愛」の視点であり、だからこそ⑨で述べたように、愛の種類もプラトニックなものから歪んだ愛まで表現されます。(ここの区別はなかなか一言では説明が難しい部分です)人が人である限り、男性である限り、女性である限り、誰かを愛する限り、その表現は多種にわたり、社会が正常でない関係性を軽蔑することは一言で言っては良いものではないものなのです。

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ボーイズラブを語れば語るほど、女性の不平等さから生まれたものとするならば、女性である「性」を受け入れることの出来ない人であるとみられるなど、マイナス点しか見えなくなるかもしれません。ボーイズラブをやめれば、自分を「女性」として受け入れることができれば、何ら問題なく現実が進んでいくという人もいるのかもしれません。しかしそれは、「自分の性を否定(離脱)してみる」という主張が現代において軽蔑(いけないことだ)されているようにも思われます。「否定(離脱)することはなぜいけないのか」。否定する自分を受け入れる。これは社会にまだうまく伝わっていない偏見でもあると思います。著者曰く、今まではボーイズラブは女性の駆け込み寺であったかもしれないけれど、ポジティブな前進できる想像力でもあり、対抗する力でもあると。そして、もし、世界が、様々な社会的運動により、女性のこう言った社会的な女性像から排除され、彼女は彼女らしく性へ向かうことが出来れば、ボーイズラブはなくなってしまうのではあなたは思うでしょう。少なくとも形は変わるとは思いますが、根本的なボーイズラブというの考え方はこれからも無くならないと私は思っています。なぜなら人である限り、自分(点)と他者(点)が存在し、他者は他者であり、その結びつき関係性は自分だけでは他者との完璧な線を作ることは不可能だから。ブローバックマウンテンのような理想郷は、点を線で結べるその「関係」は、これが現実だからと言って想像を諦めるのではなく、ではどういう折り合いをつければ、話し合いをしていけば、互いに良い関係となっていくのかと考えることができるでしょう。想像は、あまりにも眩しく、美しいパフォーマンスであり、(芸術性の高いもの)その想像は人々を次へと進化させる根源となると私は思っています。だからこそこの世界は少し昔までボーイズラブは「耽美」と呼ばれ、社会的な善悪を排除し、根本的に人とは、ということを考えようとしているのではないかと思っています。

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※この記事は 野火ノビタ著「大人は判ってくれない」の内容を参考のもと、私の考えも織り交ぜて作られた推測の記事になっています。全てのボーイズラブの根拠がこの記事の意味で描かれていたり読まれているとは限りません。630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3fスクリーンショット 2016-03-15 0.10.37630b76a74e427fd821f25e5bc121ec3f■ interview■

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Steph Tsimbourlas (visual artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=8398

angelic milk(music artist)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7929

1991downtown(fashion select shop)http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7862

GRAPE MAGAZINE(independent magazine)—http://www.nylon.jp/blog/maria/?p=7734

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