「ファッションって何？」ファッションについて考える 読者のアンサー

「ファッションって何？」ファッションについて考える　読者のアンサー

Posted on 2017年6月3日2017年6月3日

1年前の記事から、読者からのアンサー

ファッションについて考えるということ　という記事を去年の1年前に書いたのですが、今年の２月に読者さんから一通のメールが。今回はその内容を公開しようと思います。（読者さんには許可を取っています)SNS時代、自らの意見を発信する場は増えていますが、なかなか意見を交換しあう機会がないですね？なので、こう言ったレスポンスはとても面白いなと思っています。今年は割と性に着手した記事を書いていますがそちらの記事も一通り終わった後、皆さんの意見も交換し合いたいです。（もちろん、終わる前も募集中です。）また、自分が発信したいあれこれ、でも発信する場がないという方も、もしありましたら、お聞かせください！ブログの可能性を考えて記事に出来ればと思います。では、皆さんの大好きなファッション、今一度考える機会に、この記事をぜひ読んでみてください＾＾

-前回までの記事-

ファッションについて考えるということ１（私の考え（今はそれなりに変わってるかも））

ファッションについて考えるということ２（読者への問いかけ）

読者のアンサー記事

（注：他文章はムスリムファッションの現状と可能性の文章ですが、レポートということもあり、省略します。例としてコスプレ好きなメイクアップアーティストのSarawatiさんや有名ブランドのムスリムファッション進出、ムスリムファッションについて自由が少ないと思われがちですが、ヴェールの中は実は何を着てもよかったり、様々な形で楽しんでいるという内容でした。）

>>Re: from maria
hi.
こんにちは。メールありがとうございます。沢山のことを考えて頂いてとても嬉しいです^ ^
私も文章がまとまるまで少し時間がかかってしまったので、返信が遅れてしまいました。せっかく沢山の文章を送ってくださったのですから、一度ブログの記事として公開してみたいなと思うのですが、どうでしょう？よかったらお返事ください^ ^以下、貴方の送ってくれた文章へ返信です。

●服を売ることについて

あなたが提案するように、服の楽しさを伝えるという事はキーとなってくると思います。
確かに、ファストファッションが生まれた事で気軽にファッションを楽しめるようになりました。しかしながら服を買う、着る、売るという行為はあなたが言うように、ラフォーレのセールのような服の価値観をもった方が多いですよね。そして作り手も価格の低いものであるほど
服を作るという行為が、生活をするための１つの手段としてであり、服自体の価値を作っているわけでは無い人達が多いです。値段を下げ、沢山売ることで経済が回る。作り手は沢山作る事で収入を増やし、生活ができる。これが今の現状ですね。安いこと自体が悪いと言うわけではありません。ただ、もう少し考えなくてはいけない部分ではあると思います。そして貴方のいう通り、
楽しさというもので、服の見方も変わってくると思います。沢山のものは売れなくなるかもしれません。しかしより１つ１つを服に価値を見出すことは大切だと思います。私が好きなブランドで、この服が欲しいと思ったとき、できる事ならその作り手が作っている場所までいき、そのお店で重みを知り、作り手と会話をしたいと思っています。このことは貴方が今後服を売るということを考えるために何か参考になればとおもいます。

●オシャレがメジャー化している事について

私もこれは非常に感じています。どの雑誌も、どの服屋も同じものの様に見えると感じています。私は店舗のデザインをする仕事をしているのですが、お客様が求める空間のイメージも似たり寄ったりで、一つ一つに我こそはという強さがないのです。日本のスナップ雑誌、FRUITSが廃刊するそうです。その理由はこの雑誌が求めるオシャレの基準が少なくなってしまったから。今より少し前のこの雑誌はもっと自分に自信があった様な気がします。例えそれが他の人が思うオシャレじゃないにしても、自分にとってこれがオシャレだという自信があった。しかしそんな回答が最近はない様に見えます。この原因の一つとしてSNSがあるのではないかと、とある場で話し合ったことがあります。情報が溢れすぎて、自らの選択する意識が薄くなってしまっている。だからこそ守られているオシャレが増えているのではないかと思います。

●ムスリムのファッションの多様化について

日本人にはなかなか馴染みのない宗教とファッション。そこにある制約は私達にはマイナスなイメージを与えています。伝統的、宗教的なスタイルは、現代の在り方のズレはおそらくあるでしょう。しかしながら貴方の答えの通り、伝統や制約を崩さず、ファッションは楽しいものだと提案されている。それがハイブランド、そして気軽に行えるファストファッションの中で起きているということはとても面白いことですね。

●黒はなぜ多いか。
私の考えもほとんど貴方と同意見です。黒はこれ以上の汚れもなく、品のある色であり、当たり障りのない色です。受け入れやすい色であるから黒は多いと思います。私が黒を着る理由は簡単にいうと楽でオシャレに見えやすいという事ですかね。それと同時にステレオタイプ的な概念で当たり障りもなく、さして気にならない(効果のない)ものになる。スティーブ・ジョブズが考える時間をなくすため、黒い服を着るというけど正にそれ。考えなくてもまとまる色であると思います。

●ムスリムの自分の容姿からの判断から解放されるという点について。

この部分は大変面白いと思いました。というのもステレオタイプからの奪還は最近私が気になっている分野であるからです。(あなたの伝えたい事とは少し離れてしまうかも知れませんが、少し書かせてください)例として、社会的な、及び身体的な性別を無効化したい人達がいるという事です。その手法として現状、男性の場合は女性、女性は男性にシフトするという行動があります。(女装や漫画表現など)性別を反転させる事で社会的な性別から逸脱をするというやり方です。このやり方は性を反転させることにより、今ある性から解放されるという方法なので正確には性別をなくす方法にはなりません。人には深い概念があり、特に日本は最初から性別を分け考えるスタイルなので、この概念が強いです。宗教的な概念が少ない分、性別に対するステレオタイプが大きい気がします。今まで男女平等だと言われて行われてきている政策も、女性が男性に近づく事を許すと言う形なだけであって、正確な男女平等でもないのです。パンツは男性、スカートは女性、まだまだこのレッテルは自分の頭の何処かにはある概念ですね？制服から見てもわかるように。レッテルのない服。つまり性別や容姿を抹消した服というものがあるのであれば、性別も階級もない個を解釈する一つの方法かもしれません。あくまでも想像の話ですが。皮膚を覆うムスリムの服装は今の所女性だけのものですが、宗教的な理由ではない用途として、性やあらゆる束縛の解放の１つの案でもあるかも知れません。それが一つの楽しさであれば面白い事かも知れませんね。

とても素敵な答えをありがとうございます。ムスリムのファッションについて、とても関心が湧きましたし、沢山のことを考えてくれたことは、私がこの記事をつくってよかったなと思うことです。服を着るとは、作るとは、売るとは？この課題はこれからの時代のテーマになると思います。
売り手になると言うあなたへ。ぜひ、これからもたくさんのことを考えてみてください。いつでもあなたの答えをお待ちしております。

maria

>>Re: Re: from reader

こんにちは。
返信ありがとうございました！mariaさんからの返答を読んで、考えがさらにまとまってきました。オシャレのメジャー化については、SNSが原因の１つということ。これは、なるけど！と思いました。FRUITSについては、周りに受け入れられない個性がいなくなりつつあるというように思いました。そして、ステレオタイプからの奪還について、質問があります。”男性の場合は女性、女性は男性にシフトするという行動があります。(女装や漫画表現など)性別を反転させる事で社会的な性別から逸脱をするというやり方です。”これは、LGBTQの方々とはまた違って故意的にシフトするということでしょうか？すみません、あまり理解ができなくて、教えて下さい。

●性別のレッテルについて
ここ最近、トランスジェンダーという単語を耳にするようになりました。テレビでも雑誌でも。LGBTQの方々に対する世間の目も少しずつ変わってきているように感じます。そして、LGBTQの方々も自らをオープンにする方が増えてきています。LGBTQという性別ができて、自分自身に詳しくなったり、本当にこれはいい方向に進んでいるなという思いとは反面、性を別けることは必要なのかという疑問があります。わたしは、男らしい、女の子なのになどという発言には違和感がありました。異性を好きになるもんだという固定概念。男でも、女でも、好きになった人を好きでいればいいじゃんと思います。日本では同性婚が認められていなく、男としての、女としての固定概念が強いと私も感じます。例えば、テレビで男性の2人が手をつないでいたら”変な意味はありませんからね！”と発言したり。例えば、学校の先生が男子生徒に対して”おまえ、こっちなの？笑”と手を逆に口元にやっていたり。例えば、クリスマスに友達を横浜へスケートをしに行こうと誘ったら”レズにみられそう！笑”と返されたり。例えば、服も小さな頃から男の子と女の子でデザインが明確にわかれていたり。例えば、恋愛ドラマはほとんど男女間の物語だったり。例えば、男性には”彼女いないの？”、女性には”彼氏いるの？”と聞くこと。まだまだ、みんなの中のあたりまえが差別や偏見になっています。わたし自身が、あまり恋愛感情がないというかわからないので(男の子にも女の子にも恋愛感情が芽生えない)、こういうことは考えます。人に好きという感情が芽生えにくく、恋人が欲しいという欲もありません。なので、Qに当てはまるのではないかと考えたりもしましたが、特に見いだす意味を感じなかったので、特定はしていません。身体で性別を判断しますが、両方を持ち合わせて生まれてくる方もいます。見た目で中身を判断するというのは難しいです。しかし、トランスジェンダーの友達(男の子の容姿で生まれた女の子)はおっぱいを欲しがります。やはり、象徴的ではありますからね。そして、恋愛対象は一生同じではないという事実。これを踏まえて、やはり性別というラベルを周りや自分が貼り付ける行為の必要性を考えていす。
原子のユニークな集合体=人

あとは、個性
これで、いいのではと。

>>Re: Re: Re: from maria

こんにちは！
お返事遅くなりました。自分も情報を吸収している段階なので、難しい部分ですが、こうやってメールを交わすことで、いろいろと自分の中でもまとめられてきているような気がします。ざっくりお返事いたしますね。LGBTとは違う話です。Qは少し入ると思います。（Qとして考える人たち？）あくまでも自分が身体も心も、女性、男性であって、ただし昔ながらの一般的な女性や男性の「概念」に違和感や束縛から解放されたい人達です。例として極端に言えば肉体的な方法の例で女装（missy)というものがあります。男性が一般的な概念である「女らしい」恰好をする（性をシフト）ことで社会的な性別からの逸脱による解放をしているのではないかと思います。(http://news.mynavi.jp/articles/2015/03/04/joso/ )感情の方ではBoysLoveという漫画カルチャーがあります。全てが一概ではないですが、読者は自分の性を男性（またはらしきもの）にシフトして女性という概念を排除し、そのストーリーを楽しむという漫画だと思います。（ただしこの辺に関してはいろいろ調べている段階なので、一概とはいえません）ある種の差別的な表現（男性が一般的な概念である「女らしい」恰好をする、漫画の官能表現（男性同士を絡ませる））によって自分の性別から解放されるという皮肉的な方法でもありますので、偏見を自ら作るという複雑な造りではあるのかもしれません。かといってこれを悪いことだといってやめさせるべきものでもないということだけは言っておきたいです。

●性別のレッテルについて

そうですね、あなたの言う通り、性をわける必要は本当はないのかもしれませんね。人というのは面白く身体は極端に分けられて男と女これがあり、身体自身には　特徴や役割や負担　がある。これは動かせないものである。その入れもの関係無しに私たちの個は存在する。身体で決めつけてしまったその概念をどうするかだけだとは思います。人にはいろいろいる、それだけであるはずと思っています。

>>Re: Re: Re: Re: from reader

返信が大変遅くなりすいません。女装やボーイズラブの件は、とても興味が湧きました。わたしはこのことに関して無知なので、さらに調べて行きたいと思います！スウェーデンの取り組みも同様、ありがとうございました！今回、mariaさんと沢山の意見交換ができたこと、とても良い出来事でした。自分の頭にあったことを文章にして、考え直せて、mariaさんの意見が聞けて、とても楽しかったです。今さらかなって思ったけれど、あの時メールを送って本当に良かったと感じます！そして、ブログの件ですが公開して頂いても構いません。
よろしくお願いいたします。

以上が読者さんからのメールのやり取りでした。服一つに取っても、それは性と個に結びつくのが服の面白さなのかもしれません。